よくご相談いただくのは、
「生花ブーケと造花(アーティフィシャルフラワー)のブーケのどっちがBetterなのか迷っています」
というご質問ですね。

答えは「花嫁さま本人が自分で持ちたいと思うブーケなら生花でも造花でも、どちらでもいいと思います。」です。

でも生花のブーケって高額ですよね?どうしてあんなに高額になっているのか?という謎を、花屋を営んでいる友人に尋ねてみました。

「ウェディングブーケって言うのは、結婚式場に納品するものだからどんなに最短でも前日に作って持って行くものなんだよね。それで、翌日挙式や披露宴で長時間使う。長時間保てる花じゃないとダメなんだよ、WEBなんかでは安いブーケも出てるけど、色々問題アリなんだよね。」

問題アリ?どういうこと・・・?

◆生花の水分補給
生花は当然水が必要だけど、前日からブーケにするから、水分補給が十分ではなくなる。オアシスや茎に脱脂綿巻いて水に浸したもので作ったりするけど、やっぱ24時間が限界なんだ。

◆生花のグレード
できるだけ鮮度を保てるように、新鮮な花を仕入れて制作しなければならない。当然グレードの高い花材で作らないとすぐに花がダメになるんだよ。

◆グレードが低ければ安く作れるのでは?
卸売り市場には鮮度の落ちているものが安価で取引されているけど、そういうお花を使って作ったブーケは短時間でお花の色が変わってしまったり萎れてしまったりする危険性がある。
格安ブーケなんかはそういう花を使って選別もしないで作ってるんだよね。挙式後半で萎れてしまうブーケとか申し訳なくて使えないよ。

◆選別って??
ブーケを作る為に仕入れる本数は約50本 Σ(゚Д゚) なぜなら、出来るだけキレイに花が咲いている、傷の無い、色が鮮明な花を選んで使うから。これが選別ね。さすがに50本分の代金は取れないから仕入れ価格の半分くらいを目安にして価格設定してる。 納得・・・花屋さんも大変なのね・・・

◆結婚式場に併設の花屋さんなら当日作ってもらえるんじゃ?
それはもちろんそう。だけど、式場だって慈善事業じゃないからね、花屋は別店舗で式場が運営管理してるわけじゃないから、ロイヤリティとか紹介料とか色々料金があるわけ。だからブーケの価格も高くなる。それをカバーするのはデザイン力なんだろうな。

なるほどねえ・・・ブーケが高くなってしまうにはちゃんと理由があったんだね。

では造花のブーケはどうだろう?

◆水分補給⇒必要なし。何なら半年前から作ってあっても全然おk。
◆グレード⇒これは結構重要かも。100均なんかで売られている花材も最近は悪くないものも多くなってきた、でも東京堂(MAGIQ)やアスカ商会なんかの国産ブランドが作ってる花材を見ると明らかにその差は歴然。店舗に行くとよくわかるけど、本物の花なのか!?って思うくらい本物っぽいものが多数、でも高いけどね。何なら生花より高いよねw
◆選別⇒必要なし、だって1つ1つ丁寧に作られてるし、お花が壊れていたりしたら交換してもらえる。

長期間保管して飾っておける、という点では生花より造花の方が勝っている可能性もある、でも1つだけ敵わない点が明白にある。

◆造花は造花。生花のような可憐さや儚さを表現しきれない。
どんなメーカーの本物っぽい花材でも、生花の瑞々しい透明感や儚げな脆さを表現しきれている商品はない。あれこそが「生きてるお花」ならではのクオリティなんだと思う。

逆に造花の方が勝っている点は?

◆全部同じ花のクオリティ。
選別が無用、という事はつまり、どのお花も同じ大きさ同じ形をしている。ブーケに求められる「デザイン性」は造花で作る方が扱いやすくて仕上げのクオリティが高い。

そこで、「生花と造花どっちがいい?」ってお悩みの花嫁さまに私がオススメしているのが「プリザーブドフラワー」です。
プリザーブドフラワーは、生花を特殊な液体に長期間漬けて、生花の中に含まれる水分と液体を交換して、好きな色に着色できてしまう、という荒業を実現した高級花材です。
この特殊花材は、湿気と直射日光を避けた場所に飾ると、最低でも2年間は生花の時のまま咲き誇っています。

大地農園のカタログより

加工の過程で着色するので、発色もとても良くて、生花ではありえないカラーも充実しています。
プリザーブドフラワーで作ったブーケであれば、生花よりも高級感があって、しかも造花のように長期保管ができる、とても優れた花材です。

ですがこちらも難点が。

◆1輪最低250円(花径2cm)~800円(花径7~8cm) Σ(゚Д゚)高ッ
◆花の種別が少ない(ローズ、アジサイ、ガーベラ、カーネーション、ダリア、マム(菊)、蘭、ジャスミン、カスミソウ・・・)
(有名デパートなんかでは5個くらいしか使ってないアレンジメントが1万円だったりΣ(゚Д゚)する!さすがに驚きを隠せない!でもそれが有名デパートの強み!w)

仕入れ価格である程度金額が抑えられますが、それでもアーティフィシャルフラワーと比較すると、花径が小さい分、数が必要なのでどうしても高額になります。
そして花径が大きくなればなるほど比例して価格も高くなります。

ブーケをどんな花材で作るのか、それは花嫁さまが「何を優先するのか」次第だと思います。
一生に一度の晴れの日に、どんなブーケを持って嫁ぐのか、花嫁さまがじっくり考えて検討した結果であれば、それは全て正解の選択なんです(๑•`ㅂ´•́)و‎‎‎✧